【映画鑑賞メモ】君たちはどう生きるか【ネタバレあり】
君たちはどう生きるか
2023年7月26日(水) 映画館にて鑑賞
仕事が早く終わったので衝動的に映画館に行って観てきました。
前情報ほぼ無し(主題歌の担当と、原作あんま関係ないらしいという情報だけ)。
感想メモ
※以下、本編のネタバレを含みます。
僕たちは何を見たのか
多分もう一度見ると思う。
レビューもいくつか読んでみたけど皆似たような感想が多くて、「自分だけ文化的教養の素地が足りてない」というわけではなさそうだと安心した。(語弊の無いように言うと、則ち皆然りというわけではないです。)
「よくわからん。」というのが初見の感想なのだけど、「だがそれがいい」。
自分のわかるものだけに触れてわかるものだけを吸収しようとすると顎が弱くなるから、よくわからんから自分に合わないと捨ててしまうのはもったいし、よくわからんものほど面白い。と思う。
嚙み切りにくいし喉を通りにくいし消化できんものを飲み込んでやっとこ可食域が広がると思ってるので。
あと食べにくいものが必ずしも不味いとは限らない。
ピスタチオとか栄螺とか美味しいと思うし。
私はジブリ作品に明るいわけではない(一般の日本人並み)し、宮崎駿監督本人の人物像に詳しいわけでもないので何とも言えないのだけど、
「これまでのジブリの集大成がどうこう~」とか「宮崎駿監督の人生観が云々~」とかそういうの抜きにしても普通に楽しめた。
情報が無いという価値
令和のこの情報過多な世の中で、
「誰が出演しているのか」、「どんなストーリーなのか」、「どんな映像なのか」、「どんな登場人物なのか」etc..
一切の情報が無いまま、何が始まるか何が進んでいくかわからないものに対してお金を払う。
この経験だけで2000円以上の価値があったと思う。
おそらく人生の中で後にも先にもこれだけなのかもしれないと思った。
誰がどんなロールなのかわからない、時代背景も設定も、人物像も感情もわからないまま進んでいく鑑賞がこんなに体力を使うものだと初めて知った。
何も知らないものを観ることができるってすごい経験ですよ。多分ね。
どこかの誰かの御伽噺
7人のおばあちゃんズが小人のようで、あーなんか白雪姫みたいだと思った。と思ったけど、不思議の国のアリスみたいだとも思った(アオサギは白ウサギなのだ!)。と思ったけど結局こういうのは自分の中の物語を追体験しているだけなのかもしれない。
自分の中の物語の塔にたくさんのドアがあるほど、どこかが開いてその向こうと触れ合うと思う。
おばあちゃんの集大成
ジブリ作品に描かれるおばあちゃんが好き。
今までのジブリのおばあちゃんのアベンジャーズみたいで非常に良かった。
「おはぎがつくれるよ~!」かわいい。
おばあちゃんが愛おしい。歳をとったらジブリのおばあちゃんになるんだ。
最初におばあちゃんズが出てきただけでもう本編終わっていいくらいの価値がある。スピンオフほしい。
ちいかわ世界の木霊みたいなやつ
多分みんなだいすきなやつ。かわいい。(わらわら)
無慈悲に食べられる様が不条理で良かった。
ペリカンも良かった。
そういえば最後に向こうの世界が終わってしまったとき、なんだか少し安心した。
永遠がないことを突き付けられるときになんか安心する。
他なんかいろいろ(疲れたので小見出し無し)
- 最初の火事に眞人が駆けつける映像、今までのジブリ作品であまり見たことがない映像表現だと思った。とはいえここ数年の作品はそんなに見てないので、単純に私がアプデできてないだけかも。
- ヒミの服、アリスみたいだったし白雪姫みたいだったよね。って個人的に思ってるんだけど。かわいい。
- なんでナツコは迎えに来た眞人を拒絶したんだろう。
- 石って何のメタファーなんだろう。
- 子を持つということ、母になるということ。そして「子になる」ということ。自分が親になったらその子は自分の子になるわけではないのだよね。しらんけどね。
- インコがだんだん愛おしくなる現象。かわいい。
- アオサギお前もかわいいよ。
てかリアル鷺も実家でよく見たけど、結構でかいし怖いんだよね。誇張してないよあれ。
- 大衆文学的な派手さは無い作品なのかもしれないけど、純文学的な繊細さと複雑さがあって個人的にとても好き(結局これに尽きる)。
- 原作(?)吉野源三郎著「君たちはどう生きるか」だけ履修済み。
作中では綺麗な扱い方だったと思う。ちょいちょい美しい星空が描かれてるのは原作から要素を踏襲してるのかな。しらん。
- 「君たちはどう生きるか」というのは、「こう生きるべきだ」という説教ではない(と思っている)。コペル君の立場に自分を投影した時に、世の中とか、自分をどういう視点で見て生きていくかという問いかけに過ぎない(と思っている)。どんな選択であれ、その選択がどんな結末を迎えるのであれ、自分は「どう生きるのか」、「どう生きたのか」を考えるきっかけになればそれでよい(と思っている)
つまりこの作品から「こうである」というメッセージは無理に受け取る必要がないと思っている。
おわりに
なんか気づいたらnoteの映画レビュー更新するの約3年ぶりなんですけど。
ちゃんとしてください。
エディターの仕様も変わっていたので、見出しをつけてみたり。
書きやすくなって思考も整理しやすい気がする。
鑑賞後、パンフレットを買おうと思ったのですが発売前でした。
発売したら買ってじっくり読みたいと思います。その上で更新が必要な点は更新します。
おわり
追記
2023/07/27
いくつか感想を読んでみて個人的にしっくりきたもの。
>>あらすじを見るだけで自分と解釈違いのレビューも確かに多い。