【読書メモ】遅読家のための読書術/印南敦史
『遅読家のための読書術 情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』印南敦史 (PHP文庫)
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遅読家というのは、読書に対する「真面目さ」を捨てきれない人のことです。(p47)
あー。私のことか~と思いました。
タイトルに惹かれて前情報無しで購入。読了。
というのもここ数年読書に対する苦手意識というか、前より確実に
「読めなくなっている」と感じていたからです。
昔から本を読むのは好きだったのですが、時間が取れないな~と感じつつ全然読書しない日々が続いてしまったので何とかしなければと思い。
「遅読家」というのは筆者の造語だと思いますが、本書内で言及された「遅読家」はまさに私のことでした。
真面目に本を読もうとする、本に書かれたすべての情報を頭に入れようとする、一回の読書で完全に理解しようとする…
まさに「読めなくなってしまった」私のことでした。
本書ではそうした「古い読み方」から、情報にあふれた現代で有効な「新しい読み方」=「フローリーディング」へのシフトを推奨しています。
読書の本当の価値は、書かれていることの「100%を写しとる」ことではなく、価値を感じられるような「1%に出会う」ことにある(p37)
1冊を深く読むのではなく、たくさんの本から「小さなかけら」を集めて、「大きなかたまり」をつくっていく。(p39)
ふむふむ。情報洪水に溺れてしまった人間にとってはとても有効な言葉。
筆者が提唱する「フロー・リーディング」は、その名の通り「流れる読書」です。(対義は「ストック・リーディング」)
その本に書かれた内容が、自分の内部を”流れていく”ことに価値を見出す読書法(p49)
この「フロー・リーディング」を実施するための具体的な手法やポイントが解説されていますが、個人的に有用だと感じたのは「呼吸」の概念。
呼吸をするときに吸ってばかりはいられないように、読書においてもいインプットだけでは流れていかないということ(吐き出す行為が必要ということ)です。
具体的には、「読む」だけではなく「書く」ことが大切だと述べられています。(だからこうして吐き出していますなう)
書くことで、本に書かれたすべてを頭の中にストックしなくてよいので気楽です。
さらに具体的な技法として、以下のようなやり方も提案されています。
・「1ライン・サンプリング」 ・「1ライン・エッセンス」 ・「1ライン・レビュー」
私はこの中からとりあえず「1ライン・サンプリング」を実施してみることとします。
手書きでノートにまとめるという行為だけでもだいぶすっきりします。
(慣れてきたらほかの2つもやってみよう。)
他、第4章には速読(流し読み)の技術的な部分にも言及されていますが、個人的には第5章「本とどう出会い、どう別れるか」が印象的でした。
「フロー・リーディング」の読書法をマスターすれば、年間700冊もの本に出合うことになります。どうやって本と出会い、どんな本を選び、そして別れるか、この「別れ方」の技術が自分に足りない点なのですよね。
ストック(貯蔵)をやめてフロー(流動)に切り替えることは、「本の読み方」だけでなく、「本の管理」についてもいえることなのです。(p196)
本書はサクッと1時間程度で読める内容。
特に思考方法的得られる点が多かったので、積極的に活用していきたいと思います。